「海外ノマド」という働き方は、特定の場所に縛られずに働きながら、自由に世界中を旅するライフスタイルを指します。
リモートワークが普及し、仕事の場所を問わない働き方が一般的になったことで、多くの人がこの働き方を選んでいます。
従来は、海外ノマドというと、フリーランスであり、IT関連のスキルが必要と言われてきました。
ただ、コロナ禍以降はフルリモートの仕事の機会も増え、会社に所属しながら海外で仕事をする人も増えました。
これまでは日本円を稼いで、東南アジアなど日本より生活コストが低い国で生活するノマドが一般的でしたが、東南アジアの発展や為替変動の影響による円安などそれも変わりつつあります。
本記事では、海外ノマドって今更だけど何?という初心者の方から、海外ノマドになれる職種、フリーランス以外の海外ノマドの可能性について知りたい方の疑問に答えられるように、体験談を交えて紹介しています。
フリーランスを目指して挫折してしまった方、クラウドソーシングでの仕事探しに疲れた方、ハードルを感じている方もヒントになることがあるかもしれません。ぜひ最後までご覧ください。
未経験でも目指せる海外ノマド向け職種
海外ノマドとして生活するためには、場所を選ばずにできる仕事を見つけることが必要です。
以下には、未経験から目指せる一般的に海外ノマドに向いている職種をいくつか紹介します。
Webライター・ブロガー
Webライターやブロガーは、Webサイトやブログ向けの記事やコンテンツを作成する職業です。書いた記事を検索上位に表示させることで、掲載サイトの認知拡大やサービス購入に繋げます。
ブロガーも同様にサイトを上位表示させるよう戦略を立て、掲載している広告からの収入に繋げます。
文章を書くスキル以外に、SEOやコンテンツマーケティングに関する知識を持つことで、クライアントからの仕事を得やすくなります。
Webデザイナー
Webデザイナーは、Webサイトのデザインやユーザーインターフェースの設計を担当する仕事です。
デザインスキルに加えて、HTMLやCSSなどのコーディングスキルがあると、さらに幅広い案件をこなすことができます。
プログラマー・エンジニア
エンジニアやプログラマーは、アプリケーションやソフトウェアの開発に携わる職種です。
リモートでのプロジェクト管理やチームとの連携が可能な職場を選べば、世界中どこからでも働くことができます。
高度なスキルが必要とされる職種ですが、その分報酬も高く、安定した収入を得られる点も魅力です。
海外ノマドはフリーランスになるべき?
海外ノマドの王道とされるこれらの職種はフリーランスである人が目立っていて活躍していますが、会社さえ許せば会社に属しながらリモートワーカーとして海外ノマドになることもできます。
そこで、フリーランスとリモートワーカーの特徴と、メリットとデメリットをまとめました。
フリーランスのメリット
自由度が高く、自分のスケジュールを自分で決めることができます。
クライアントと対面する仕事さえなければ、どこで働くかも時間についても自由です。
例えば1ヶ月は仕事に集中し、次の月はペースを落として半分を休みにする、ということも可能です。
また、スキル次第で収入を大きく伸ばすことができるので、会社に属するより高収入を得られる可能性もあります。
フリーランスのデメリット
クライアントの状況や市場の変動によって、収入が不安定になることがあります。特に初期は安定した仕事を得るのが難しい場合があり、経理的能力やメンタル面のタフさ、粘り強さが求められることがあります。
海外に在住しながらフリーランスとして活動する場合、税務関係やビザなどまで全部が自己管理となり、自分で調べて対応する力が必須です。
また、海外のクライアントとのミーティングが重なる場合、時差の関係で生活が不規則になることがあります。
リモートワーカーのメリット
外資系企業やリモート対応の企業に雇用されることで、安定した給与が期待できます。定期的な収入があるため、旅や生活の計画が立てやすくなります。
クライアントを自分で探さなくても会社のネットワークを活かし、フリーランスでは出会うことが難しいような企業や人と繋がれることもあります。
また、リモートワークに特化した体制を整えており、勤務時間や働く場所の柔軟性がある企業もあります。
リモートワーカーのデメリット
会社の従業員であるため、会社の規則や勤務時間に従うことが必須です。
また、外資系の企業の場合、海外に合わせた勤務時間に対応するため、時差を考慮して働くことが必要な場合もあります。
会社の都合で突然役割が変わったり、オフィス勤務に戻ることを求められるリスクがあります。
また、会社の経営状況に影響されるため、解雇のリスクも存在します。
海外ノマドになれるリモートワーカーの種類
フリーランスとリモートワーカーを比較して、自分にどんな働き方が合うかイメージできましたか?
筆者の私自身もフリーランスを目指したことがありましたが、いきなり会社を辞めずに副業として実積や収入を積み上げていくには相当する努力が必要です。
そのような努力を続けるためには、本当にその仕事を好きであることも大事だと気づき、挫折してしまいました。
もちろんこの記事はフリーランスはリスクがあるのでやめておけ、と言いたいわけではありません。
海外ノマドとして一般的な仕事が自分に合わない方でも、リモートワーカーになれば十分に海外ノマドとして生活することができます。
そこで、リモートワーカーとして海外ノマドを目指せる色々な形を紹介します。
日本円を稼ぐリモートワーカーと職種例
日本人としては一番王道で、日本の企業に属しながら日本円を稼ぎ、海外で生活する方法です。
リモートワークに対応していることが多いIT系の企業は王道とされていますが、コロナ禍以降は金融・不動産・コンサル業界などそれ以外の業種でもリモートワークが普及しています。
外貨を稼ぐリモートワーカーと職種例
外資系企業に就職し、出社が必要ない場合は海外ノマド生活を楽しむことができます。
筆者の私はこの外資リモートワーカーに当たり、外資系企業に属しながら主にマレーシアなどの東南アジアで生活しています。
外資系企業が日本人を採用するメリットとしては、日本の企業と対応しやすくなることが挙げられます。
私の所属する会社は日本オフィス設立を目指すスタートアップなので、入社したときは何もしていないのにただ日本のクライアントに喜んでもらえました。
ポジションとしては、スタートアップの場合営業やマーケティングを行うBusinsss Developmentやカスタマーサクセス、カスタマーサポートが挙げられます。
外資リモートワーカーがこれから熱い理由
リモートワークの普及とグローバル化で、所属する会社も国境を越えて募集をかけていくことが予想されます。
日本でもスタートアップを支援する動きも活発なため、日本進出を狙う外資系企業が日本との繋がりを求めて日本人を探していることがあるのです。
また、これまでは日本円を稼いで、東南アジアなど日本より生活コストが低い国で生活するノマドが一般的でしたが、それも変わりつつあります。
東南アジアの発展で、マレーシアの場合も生活コストも上がってきつつあります。
さらに執筆している2024年時点では為替変動の影響で日本円の外貨に対する価値も弱くなり、日本円の収入以外に外貨を稼げると有利な状況となりました。
グローバル化が進んでいるので、日本円のみを収入源にして日本円でのみ貯蓄することが、これからリスクになっていくでしょう。
そこで、目を向けて欲しいのが外資系企業でのリモートポジションです。
海外ノマドの王道とされるWeb系の仕事に適性を感じなくても、外資リモートポジションに自分に会った仕事がないか探してみませんか?
海外ノマドの裏技 外資リモートワーカーになる方法
外資系企業に採用されるには、求人を見つけて応募する、スカウトされるなど接触の機会を持つことが必須です。
筆者の私の場合は、LinkedIn で現在の仕事を見つけました。外資系企業への転職を考える場合必須の媒体と言えるので、考えている方はぜひ登録してみてください。
また、2023年に行った自己分析と外資系企業への転職について、Kindle本で詳しく紹介しています。
海外ノマド生活のリアルと必要スキル
海外ノマドの生活は魅力的だけど、実際はどうなのか?
東南アジアでリモートワーカーとして生活してみた経験をもとに紹介します。
生活費は10万円以下って本当?
よく、東南アジアだと生活費を抑えられると聞くかもしれませんが、「生活費を抑える選択肢が日本より増える」と理解するといいでしょう。
マレーシアの場合だと、現地のローカルの人の中には月収5万円、6万円での求人広告があり、生活コストもそれに見合うように下げることも可能です。
ただ、日本人の生活レベルで不自由なく、時々旅行にも行って楽しみたい、となるともちろん月収6万円では不十分です。
マレーシアの都心部でないコンドミニアムで外食も多い私の場合、月15万から16万円ほどかかっています。
もちろん私の生活スタイルでの金額なので、趣味にお金を使う場合は上がることもあり、自炊が好きな場合はもっと下げられることも期待できるでしょう。
海外ノマドに人気のタイのチェンマイやインドネシアのバリなども、これから住む候補地として旅行して金銭感覚を体験していこうと思います。
マレーシアクアラルンプールの物価についての記事です。
外資リモートワーカーに必要な英語力
必要な英語力は、結論としては外資系企業や求められるポジションにより様々です。
求められる仕事が日本企業相手メインの場合、日本語でのやり取りも多くなり、英語は同僚とだけ対応できれば大丈夫です。
私は現在所属する企業はアジア圏内ということもあり、同僚とのコミュニケーションには支障なく、たまにある南米やオーストラリアのクライアントとのミーティングでは英語力の向上が必要だと感じることがあります。
私も英語は常に勉強が必要ですが、アジア系の企業から入ると、文化的に近い面もあり、比較的ハードルを感じずに活躍できるかもしれません。
英語学習について私がオーストラリアに滞在した時の勉強法をKindle本で紹介しています。
柔軟性・臨機応変な対応力
外資系企業、特にスタートアップでは、綿密に計画する日系企業とは違い、トライアンドエラーで改善しながら進めることも多くあります。
私自身の仕事にも変化も多く、数ヶ月前とは違う方針になったり、プロジェクトが延期したりすることも多いです。
日本の大企業のようにシステム化されておらず、これから作り上げるということも多いので、何か新しいことを作っていくのが好きな方には向いている環境と言えます。
英語力の他に、色々なことに臨機応変に対応できる力も、私も日々磨いているところです。
未経験で海外ノマドになる裏ワザ まとめ
未経験でも目指せる海外ノマド向けの代表的な職種には、Webライター・ブロガー、Webデザイナー、プログラマー・エンジニアがある。
フリーランスのメリットには自由度があり、デメリットには収入の不安定さや全て自己管理が必要なことなどがある。
リモートワーカーのメリット は、定期的に収入が得られること、デメリットには会社の規則に従う必要があることなどがある。
どちらの働き方でも、外資系企業やクライアントと関わる場合、時差を考慮してミーティングを行う必要がある。
海外ノマドになれるリモートワーカーの種類には、日本企業に雇用されてリモートワーカーになる方法と、外資系企業に雇用される方法がある。
海外ノマド生活の生活費は、滞在する国や希望する生活レベルにより異なる。
外資リモートワーカーに必要な英語力も、職種や対応するクライアント・取引先により、英語力以外に柔軟性・臨機応変な対応力が求められる。
マレーシアでデジタルノマドビザを取得した経験談をKindle本で紹介しています。