マレーシアデジタルノマドビザ取得までのリアルな記録【2024年承認】

枠を外す行動力
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本記事では、もともとマレーシアで現地採用でカスタマーサポートとして働いていた私が、1年もたたずに職種とビザの種類を変え、マレーシアに別の形で戻るまでの波乱万丈な体験談を公開しています。

リモートワークの普及で、場所にとらわれない自由なワークスタイルが増えている中、マレーシアでデジタルノマドビザの制度(DE Rantau Nomad Pass)が2022年に開始されました。

それまでマレーシアで現地採用で働いていた私も、Youtuberの発信などを見て「そうなんだー」と他人事のように思っている人の一人でした。

そんな中、翌年に転職活動を開始し、マーケターとしてのポジションを取得。

次の仕事はビザがサポートされないリモートのポジションだったので、思い切って挑戦してみることにしました。

マレーシアのデジタルノマドビザに興味のある方、チャレンジ予定の方の参考になれば嬉しいです。

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マレーシアデジタルノマドビザとは

大前提としてマレーシアで仕事で滞在するには、有効なビザが必要となります。

これまではマレーシア内の企業に就職し、ビザをサポートしてもらう働き方が主流でした。

デジタルノマドビザは、マレーシア国外からの収入でマレーシアで働くことが可能となります。

私の場合は、シンガポール企業に在籍し、マレーシアで働くことになります。

デジタルノマドビザの承認期間は3か月から12か月で、さらに12か月延長することができるので、最長で2年間滞在できることになります。

マレーシアデジタルノマドビザ要件

仕事の形態としては大きく分けて2つあり、フリーランサーまたはリモートワーカーがあります。

私の場合は会社に所属しながら活動していたので、リモートワーカーとして応募しました。

対象者について

年収と、職種の規定が以下の通りあります。

Tech Talent/Profession:

Digital freelancer, independent contractor, and remote worker whom are IT & digital professionals in various domains i.e. software engineers, backend engineers, UX, UI, cloud, cybersecurity, blockchain, AI (Artificial Intelligence), machine learning, data-related etc.), digital marketing, digital creative content, digital content development and etc.

minimum income requirement
Tech Talent/Profession:> USD 24,000 per year

DE Rantau Nomad Pass 公式websiteより

ITまたはデジタル領域の職種に従事し、年収がUSD24,000以上であることが必要です。

※2024年6月追記
2024年5月、MDECはDE Rantau Nomad Passを拡大し、ITやデジタル分野以外の専門家も対象としました。
対象職種には、創業者、最高経営責任者(CEO)、最高執行責任者(COO)、税理士、法律顧問、テクニカルライター、事業開発マネージャー、広報担当者、その他関連職が含まれます。

Non-Tech Talent/Profession:

Chief Executive Officer (Founder/ Managing Director/ President), Chief Operations Officer, Business Development (Growth Manager), Marketing Manager, Chief Financial Officer , Finance Manager/Accountant, Sales Manager, Customer Success Manager, Human Resources Manager, Legal Counsel, Public Relation Manager, Consultant, Customer Service Manager/ Customer Service Representative/ Customer Success Specialist, Communications & Public Relations Manager, Administration Manager, Technical Writer, Tax Specialist, Tax Accountant, Production Manager, Supply Chain Manager or any related position equivalent to the above positions.

minimum income requirement
Non-Tech Talent/Profession:> USD 60,000 per year

DE Rantau Nomad Pass 公式websiteより

お知らせ:マレーシアデジタルノマドビザについてのKindle書籍を発売しました。

マレーシアデジタルノマドビザ申請費用

希望者は家族を帯同することが認められています。

本人の申請費用はRM1,000 (マレーシアリンギット)、帯同者の申請費はRM500 です。

マレーシアデジタルノマドビザ必要書類

申請はWebsite経由で全てオンラインで行います。

MDECのサイトによると、申請をエージェント経由ですることは認められていません。

申請時に提出した書類をリストアップしました。

私は日本の会社員としてでなくマレーシアの会社員として申請したので、提出するものが日本からの場合と違うことがあります。

日本で発行したものは翻訳や翻訳証明が必要なものもあるようですので、都度確認しながら進めるといいと思います。

  • パスポート全ページ(空白ページ6ページ以上、残存有効期間が14ヶ月以上)
    以前別件でパスポート全ページスキャンをしたとき、表紙がないと指摘されたことがあったので、念のため表紙も含めてスキャンしてpdf化しました。
  • 最新のCV(職務経歴書)
    転職活動でマレーシアの企業や外資系企業を中心に受けていたので、英文のCVを少し修正して提出しました。
  • 直近3ヶ月分の銀行残高証明書
    申請時マレーシアに在住していたので、現地の銀行のものをオンラインバンキングでダウンロードして提出しました。
    レポートが再提出となるたびに都度銀行の明細書は送付を求められました。
  • 直近3ヶ月分の所得証明書または最新の確定申告書
    マレーシアで行ったtax fillingの結果を提出しました。
  • 直近3ヶ月分の給与明細書
    現職からの給与明細も申請手続き中にたびたび求められ、提出しました。
    おそらく雇用契約が続いているかを慎重に確かめているのだと思います。
  • 契約期間3ヶ月以上の有効な雇用契約書
    現職に内定をもらった時に出たOffer Letterを提出しました。
  • 善行証明書(Good conduct letter)(各国または現居住地の公的機関が発行したもの)
    現地採用の時に初めて申請したので、マレーシアのPutrajayaに出向き、Good conduct letterを発行してもらいました。オンラインで申込めて、受け取りはオフィスまで行く必要があります。
  • 身元保証書
    サイトで申請を進めていくと、MDECにスポンサーになってもらう際に記載する用紙があります。必要な箇所のみ記載してアップロードすれば大丈夫です。
  • 最高学歴証明書
    こちらも転職の時に必要だったので、pdfでスキャンしてあったものを提出しました。
    大学への取り寄せはオンラインで申し込みから支払い、郵送の手配まで可能でした。
  • その他
    この他に申請開始後もメールのやりとりで、業務に関するレポートが求められます。これは最初記載されていませんが、準備しておくとスムーズです。
    審査の最終段階?の頃に、オファーレターを発行した上司に在籍確認の連絡がメールで行きましたので、そのつもりでいましょう。
    また、保険の加入、マレーシアでの税金番号の載ったpdfなど、ビザが承認されてから提出する書類もあります。

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私のマレーシアデジタルノマドビザ応募前の経験

デジタルマーケティングに興味があり、勉強したり知人の女性経営者の会社でインターンをしていましたが、本格的な職歴としてはありませんでした。

2023年5月に現職のシンガポール企業で内定をもらったときは、マレーシアのBPO(Business Process Outsourcing)企業で働くカスタマーサポートでした。

なので、転職して本格的にデジタルマーケティングに携わるようになったので、チャレンジ応募と言えると思います。

転職の経緯については、Kindleでも体験談を公開しています。

今回デジタルノマドビザを発給するMDECという機関では、前職のBPO企業のビザも扱っていたこともあり、内定が出た後新しい仕事を開始する前に、マレーシアから出ずにビザを切り替えられたらいいなという軽い気持ちで応募しました。

しかし、現実はそこまで甘くなかったです。

マレーシアデジタルノマドビザ 申請から承認までの概要

2023年5月  5月末にビザをオンラインで申請

2023年6月  却下 新しい仕事が始まってから再申請を求められる

2023年9月 新しい仕事での初給料の明細をつけ再申請

2023年10月 job performance reportを提出

2023年12月 job performance report再提出依頼、月末に再提出

2024年1月 パスポートの有効期限が足りなくなり更新

2024年2月 承認

2024年9月追記
マレーシア在住の友人のYoutubeのライブ配信に出演しました。ノマドビザ取得の経緯をお話ししています。

1回目の申請

5月30日に必要書類を準備してオンラインで申請しました。

その時の様子です。

私の当時の経歴がデジタルマーケティングがらみではなかったからだと思いますが、もし現地採用でも職種が関連していると、過去のレポートなどで対応できるかもしれません。

この間、マレーシアの現地採用の仕事は2023年8月半ばに終了し、すぐに新しい仕事が始まります。

ビザは一人に対して複数は発行されないので、マレーシア国外に出て前職のビザを終了させるためにシンガポールに行きました。

2回目の申請

時期が早すぎるかな、と思いながらも早くビザが発給されてほしかったので、だめもとで初給料の明細をつけて再提出しました。

その際、新しい仕事でデジタルマーケティングに携わっている業績のレポートも求められていましたが、できるだけ早く提出します、とメールしました。

今思うと日本人の感覚からすると、仕事で実績を作るなんて数か月はかかると思っていたので、のんびり年内に提出しよう、くらいの気持ちで構えていました。

ただ、実際はそう簡単ではなく…

なんと、10月10日に早くも「job performance reportを10日以内に提出しなければ、あなたのアプリケーションは却下されます」とメールが来たのです。

レポート提出

職歴が浅いと言い訳することは認められなかったので、同僚に頼み込み、情報を集めてレポートを必死で作成しました。

たまたま、マレーシアのショッピングモールで展示会のようなイベントに数週間前に参加していたので、その写真をつけて提出しました。

また、私は個人的にXなどのSNS発信を活発にしたり、Kindle書籍を発売していたこともあり、個人的なオンラインの活動をまとめるprivate activityに関するレポートも別途作成し、提出しました。

レポート再提出

レポート提出後、11月になると、最近の銀行の明細や現住所など色々と追加情報を求めるメールが来だしたので、承認を期待してしまいました。

そんな中、12月9日に「提出してもらったレポートにはmarketing plan campaign and analytical reportが含まれていないようです。こちらを含めて提出してください」と連絡がありました。

デジタルマーケティングには色々な方法がありましたが、私の会社はBtoBで、BtoC向けにオンラインでキャンペーンや広告をしてマーケティングしていませんでした。

なので、正直途方にくれました。

そんな中、Facebookグループでノマドビザに関する情報交換をしているもの(英語)があったので、そこに匿名で質問をすると、経験者から「キャンペーンレポートがない場合、それに相当するSEOのレポートとか、何かしら自分がデジタルマーケティングに関わっているという証明を出せばいい」とアドバイスをもらいました。

私が見ていたコミュニティはこちらです。毎日いろいろな人が投稿しています。

ブラウザーをアップデートしてください

試行錯誤の上、レポートを再作成して12月27日に提出しました。

パスポートの更新

そんな中、2024年になり重要なことに気づくことになります。

なんと、パスポートの更新時期という10年に1度のタイミングが来てしまいました。

私の前パスポートは2025年1月8日までだったので、必須の14か月の残期間がない状態でした。

ただ、日本では更新は残期間が1年をきらないとできないので、それまでは待つしかできません。

もしここで3月とか4月とかもっとかかっていたらどうだったんだろう?と恐ろしくなりますが、無事パスポートを更新して1月17日に申請サイトの情報を更新、パスポート全スキャンをアップロードしました。

住所・銀行明細・会社の在籍確認

1月下旬はまたメールのやり取りが活発になり、

22日には今後1か月間のTravel planをアップデートしてください

23日には、最新の銀行の明細書3か月分と、現職オファーレター発行者のメールアドレスの提出を求められ

すぐに対応していき、待つこと約1週間…

2月2日夕方に、承認された旨と次のステップの説明のメールがきました。

お知らせ:マレーシアデジタルノマドビザについてのKindle書籍を発売しました。

マレーシアデジタルノマドビザ 承認から渡航まで

承認されて嬉しいのですが、approval letterが発行されたのが2月25日と、メールから3週間ほどかかり(Chinese New Yearでお役所もスローなモードだったのかもしれないです)、さらに次の手続きであるReference visa発行のため東京のマレーシア大使館に行かなければならないのか、オンラインでもできるのかが分かりづらくて不安になりました。

流れとしては

①メールでの承認連絡

②approval letter発行(①によると14営業日以内)

③Reference visa, 保険など各種手続き、書類はメールで提出

④③の書類提出後5営業日程度で、endorsementという最終手続きに必要な準備が整う

となり、マレーシアへの渡航は②の段階になったら許可されます。

③は私の場合東京のマレーシア大使館に行かずとも、オンラインで無事Reference Visaが取得できました。

④のendorsementはマレーシア到着後、ビザステッカーを張ってもらうためPutrajayaに行く必要があります。

approval letterをもらう前にこれらの情報が欲しかったのですが、何を質問してもひたすら次の情報はletterが出てから、と言われてしまい、本当に承認されるのかな…?と目の前が真っ暗な感じが辛かったです。

日本人としては計画を立てて動きたいですよね。この情報が参考になればうれしいです。

※2024年6月追記
2024年4月に実際にPutrajayaのオフィスに出向いて、ビザステッカーの申し込みをしたときの様子です。
4月1日に申請し、18日に受領に行きました。

マレーシアデジタルノマドビザについて英文Kindle書籍発売

これまでの経験を日本人だけでなく世界の人に伝えるため、英語でのKindle出版にしました。

私の大好きなマレーシアに興味をもってもらって、色々な働き方で滞在できるようになればいいな、と願っています。詳細は以下の記事をご覧ください。

もしノマドビザ申請を迷っている方がいらっしゃったら、私のように経験が浅くても通る可能性があります。時間はかかりますが、みなさんの粘り強く挑戦を応援いたします。

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この記事を書いた人
みにさき

大学生まで海外に出たことがない、世間知らずな一人娘。

オーストラリアのパースにワーキングホリデーに行き、住み込みベビーシッターなど全くの英語環境で悪戦苦闘しながらも1年滞在。
帰国後に受けたTOEICのスコアは渡航前より300アップ。

その後は日本で英語を使用する仕事を軸に、メーカーから接客業、派遣社員からフリーランスまで幅広い仕事を経験する。

再度海外に住みたい思いが強くなり、海外就職を決意し、マレーシアへ移住。

現在はフルリモートの外資系企業で働きながら、海外就職や女性のキャリアについてブログやSNSで発信中。

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